空の靴下

私の母親のクリスマスの思い出話。
小学生のころ、ええしの同級生がクリスマスには寝ている間にサンタさんがほしいものを持ってきてくれる、言うのを聞いた。そんなええ話!どないしたらええん?と聞くと靴下を枕元につるしとったらええんや、と教えてくれた。
わが母上はせっせと準備。次の日、起きてみたら、やっぱり…。
大正生まれの田舎出の親がそんな習慣を知るはずもなく、色町にはさまれた長屋が並ぶ界隈でクリスマスが話題になるわけもなく、子供に物をやる余裕もなく。おかげで私には毎年ちゃんとプレゼントをくれてました。そのかわり「子供に金はやらん」とお年玉はなしでした。